2005年11月

大停電の夜に

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嫌いじゃない。
…だけど
まるでテレビスペシャルを
見ているかのように感じるのは
なぜなんだろう?

僕にとっては、
作品が自分の好みに
合っているかどうかが
大切だから
映画らしいかどうかなんてのは
二の次ではあるんだけど…


映像はとてもキレイだ。
この作品を象徴する、ろうそくのともしび。
満天の星空。
なぜか、
すぐそのあとに降り出す雪(笑)。

いくつものエピソードが交差していく作りも好き。

田畑智子ちゃんって、平凡な顔立ちなのに
(むしろ個性的か?!)
可愛らしく見えてくるから不思議だ。
ろうそくに火をつけながら言う
「あなたに幸せなことが訪れますように」というセリフ。
とぉ~っても暖かくて良いわぁ~。

豊川悦司も
力の抜けた感じが、とぼけてて面白い。

田口トモロヲと原田知世の夫婦は
喧嘩するような覇気が全くないところが
逆にほのかに暖かくてよい感じ。

井川遥ってスクリーン映えすると思うんだけど
あまり言われないよね。なんでだろ?

吉川晃司はスパイス的な役で
演技がどうのではなく、イキイキした感じで楽しい。


クリスマスは、
「同じようだけど、少し違う今日が始まる」
そんなキッカケをくれる
特別な日なんだよね。
現実には、普通に仕事して終わっちゃったりするけど(笑)。

今夜は部屋の灯りを
ろうそくだけにしてみようかな?
そんな穏やかな気持ちにさせてくれる作品だった。

舞台でやったら面白いだろうなぁ~。

親切なクムジャさん

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どう形容したらいいのか…。
とりあえず、
スッキリはしなかった。

予告編を見ても
スッキリする映画とは
到底思えないから
予想通りって言えば
その通りなんだけど…。

クムジャさんは、自分の娘を人質にとられ
仕方なく別に誘拐した男の子を殺害。
刑期を終え出所してから復讐するまでが描かれる。

入所中に刑務所で知り合った人達と再会し
服役中から復讐の計画を立てていたというのだが
それがイマイチ分かりづらい。
それぞれのエピソードは面白いんだけど
話しが膨らみ過ぎて、輪郭が見えてこない。

話しが進めば進むほど
クムジャさんという人が分からなくなっていく。
崩壊した人格ということなのだろうか?

彼女の変化が、僕にはつかめない。

ところどころ、なんとも言えない
ささやかな幸せに包まれたような
シーンもあり美しい。
そこには切羽詰まった息苦しさを感じないのが
かえって僕を混乱させる。

一体、彼女はどうしたいんだろう?

もちろん「復讐」のために動いてはいるんだけど…。

やり遂げた後、彼女自身も
心が晴れなかったようだが、
観ているこちらにも、空しさが残る。
「白」って、傷を癒すには
案外痛い色なのかもしれない。


日々繰り替えされる痛ましいことが
少しでも、この世界から減りますように…。

イン・ハー・シューズ

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トニ・コレットが好きだ!

彼女の地味な顔立ちから
溢れ出る感情。

決して大袈裟に見えないのに
激しく感動させられる。
特に、笑顔のまま
涙をこらえる表情が
たまんない!!


キャメロン・ディアスも好きだ!

口が大き過ぎるだの、
下品なイメージだの言われ
それを否定はできないけど…。

真面目な部分と、可愛らしい性格。
そして、外見的な魅力を
余すこと無く全開で、とても魅力的だった。


人として、
許せない部分があったとして
それをとりあえず置いておくことができるのは
家族ならではだろう。家族の絆って不思議だ。
これが恋愛でとなると、なかなか難しいだろう。


キャメロン・ディアス演じるマギーは
鼻につくくらい自由奔放な生き方をしていて
とても好きにはなれない。
トニ・コレット演じる姉のローズは
真面目な生き方をしているのに
妹に振り回されて、とんだ災難である。
やっと手に入れた幸せ
恋人まで寝撮られちゃうし…。

僕だったら許さない(笑)。

シャーリー・マクレーンが演じる
幼いころに離ればなれになってしまった祖母のエマ。
彼女を訪ねて行ってから
姉妹の心の再生が始まる。

元博士だったと語る老人とマギーとの
詩の朗読を通しての交流が泣ける!
言葉って偉大だなぁ~。


人を責めるのは簡単。
否定して、自分の人生から消し去る事もできる。

でも、もし手を差し伸べられたなら
その人は違う輝きをもって
自分の人生に
なくてはならない存在になるかもしれない。

その人なりに
輝ける場所を与えられたり
見つけられたら、人生はとても豊かだね。

許すことって、とても難しいけれど
もしも、それができたなら…。

昔だったら、努力しないで幸せになるなんて映画は
認める気にならなかったと思うんだけど
今は良く分かるし、とても沁みる!!
幸せになるのは、特別な人じゃなくて良いのだ!

こういう映画が、好きだと思えるのは
歳を重ねたおかげでしょうか(笑)?

カーテンコール

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思っていた内容と違った。
多分、観客のほとんどが
そうだったと思う。

ここまで予告編や
前情報で物語りの核心部分を
出さないのは何故だろう?
理由が分からない。

『エンディングは
 決して語らないで下さい!』
というものとは全く意味あいが違うし
(確かに、かなりびっくりした展開だったけど…)
内容に触れた方が、宣伝効果があがると思うんだけど…。


前半は、
自分の書いたスクープ記事が引き起こした事件で
自分の出身地・福岡へ飛ばされてしまった記者の橋本香織が
タウン誌の取材を通して、懐かしい時代を振り返っていく
いわゆるありきたりな展開。

藤井隆くん演じる、映画の幕あい芸人の安川修平。
彼のコメディアンぶりが見どころでありながらも
なんとなぁ~く寒々しくて、イマイチ笑えないのが痛い。

主役の伊藤歩ちゃんって、地味で真面目な感じがそつなくて
邦画としてのフィルムへの収まりがイイなぁ~。

藤村志保さんの、時折見せる少女のような表情が
抜群にかわいらしい。こういう歳のとり方は魅力的だね。

ひとつの時代が終わり、切なぁ~い感じで
「平凡な映画だったなぁ~」と思っていると
この作品の核心部分が、ようやく見えてくる。


一応ここからネタバレ注意っす!!


前ふりのなんと長かったことか。
もちろんそれが無いと始まらない話しなんだけど…。

ここで真打ち・鶴田真由の登場だ!
在日に対する人種差別問題が、裏に隠されてあったのだ。
まるで別の映画を観ているかのような展開のため
前半との違和感に少なからず戸惑う。

日本を去り、老人となった安川修平と
日本に残された鶴田真由演じる娘との和解までが
まるでドキュメンタリーのように綴られる。

カーテンコールというタイトルの意味が
奥深い人生を思わせるんだなぁ~と、感慨。
いいこと描いているんだけど…。

観終わってみると、つかみ所のない印象が否めない。
うぅぅ~ん、勿体無いなぁ。


公開初日にも関わらず、劇場は空き気味。
一週間後に覗いたチケットショップでは、
既に?1000で売りに出されていた。
…物語っているよなぁ~。

3月5日~3月13日分の映画評を公開しました。

今年のあたま、1月中旬からパソコンが不調で
映画評のブログが更新できない時期があった。

その時期も映画は見続けていたので、
直ったら更新しようと
ノートに評を書き溜めてはいた。

徐々にその部分を埋めて行こうと思いながらも、
週末に観た映画の評さえも滞っている始末で…。


とりあえず、
3月13日『ロング・エンゲージメント』
3月12日『ナショナル・トレジャー』
3月11日『サイドウェイ』
3月10日『シャーク・テイル』
3月6日『セルラー』
3月5日『ローレライ』
と、遡って映画評を公開しましたので
よろしくお願いしまっす!

3月は、まるで親の仇かのように
映画を観まくっていたんだなぁ~と思ったら
3月3日から3月18日までが、
チネチッタのダブルポイントウィークだったみたい。

それにしても、…ねぇ。

Always―三丁目の夕日―

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懐古的な内容なのに
全く当時に見えない。
映像がクリアなせいだろうか?

まるで、ラーメン博物館などの
テーマパークのように
表面だけのハリボテで
「ほこり」や「におい」などの
生活感を感じない。

どんなにアンティークなものを集めても、
そんなにCGを駆使して風景を当時のものにしても、
どことなく、なんとなく…ゆるい。

映画自体が、昭和初期になぞらえたファンタジーだから
この程度が丁度いいのかもしれないけど…。


吉岡秀隆くんは、相変わらずのヘタレ役だ。
彼の存在は、日本映画界でも希有なものだとは思うけど
もう少し演技がどうにかなるとイイんだけどなぁ~。

それに対し、子役がイイねぇ~!!
この映画の中心が、彼ら少年の世界だから
彼らの一喜一憂がとても楽しい。
当時も今も、子供らしさって変わっていないのかもしれない。

薬師丸ひろ子が演じるお母さんが、優しくて可愛いくて素敵だ!
堤真一は、もっと寡黙でも良いんじゃないかなぁ。
ちょっと漫画みたいでやり過ぎに見えた。
集団就職で上京してきた、ろくちゃん役掘北真希ちゃん。
現代っ子が抜け切れないけど、
東北訛りとリンゴみたいなホっぺがいいね(笑)。
小雪ちゃんは、なにをやっても小雪ちゃん。好きだわぁ~!

三浦友和が演じるお医者さんのサクマ先生。
戦争で亡くなった、彼の奥さんと愛娘のエピソードが
とてもジ~ンときた。


この作品は、自分の中の記憶とリンクさせて初めて完成する。
「ちびマル子ちゃん」の面白さを、
当時を知らない人が味わえないのと似ている。
もし同調できたら、とても素敵な映画に感じられるかもしれない。
人間の芯の部分が変わっていないのなら
平成世代にも訴えられるとは思うけど…。
難しいだろうなぁ。

明日も、このキレイな夕日が見られますように!
何も疑わず未来に向ける希望に満ちた瞳。
今の時代にこそ必要なのかもしれない。

私の頭の中の消しゴム

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この映画、観たという知人
全てが号泣した!という評価。

予告編だけでも、泣かないのは
人間として欠陥があるのだろう
とすら思える。

泣いて当たり前。
一体、
どれだけグッとくるのか?

それを味わいたくて、僕も泣きに行った。

映画館でも、そこら中からすすり泣く声が聞こえた。
んがしかぁ~し、意外にも僕は涙が出なかったのだ。


二人の出会い。
楽しい日々。
家族とのやり取りなどが
時には笑いを交えて、時にはシリアスに
とても丁寧に描かれていく。

見た目だけでも充分魅力的な二人だけれど
その表情や言動が、どんどん愛おしくなってくる。
輝いてるなぁ~!

『ラブストーリー』で、清潔な魅力を振りまいたソン・イェジン。
若年性アルツハイマー症により最後には自分が誰であるかも
分からなくなってしまうスジンを、とても天真爛漫に演じている。
そんな彼女をしっかりと受け止めるチョルスを演じるのは、
孤独な力強さの中に優しさを感じさせるチョン・ウソン。

予告編で流れる、お涙頂戴シーンは
映画の終盤に突然やってきて急展開。
怒濤のように押し寄せる。
病魔の進行はとても早く、悲しんでいる間もないくらい。
それでも健気に、必死で闘う二人の姿に感動。
それを見守る家族、関わった人達。
…なんてあたたかいんだ。

哀しい状況ではあるんだけれど
僕にはその人とのつながりが、とても幸せなものに見えた。

世界は二人だけのために回っているという描き方なら
単なる「美しくも哀しいラブストーリー」で終わったんだろうけど、
この作品の家族を含めた描き方に
とても深い人間愛を感じ、幸福感に満ちた気分をもらえた。

コンビニで、みんなが彼女を優しく見つめるシーンに
泣きそうになった。
だけど、二人の表情の清々しさに
僕の心も穏やかになった。

涙は出なかったけど、心に響く素敵な映画ですよ!!!!!
出会った人との絆、大切にしたいね。
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