2006年10月

サンキュー・スモーキング

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僕は煙草を吸わない。

僕の家族も吸わない。


職場や友人には愛煙家が多いので
「吸っていい?」と聞かれたら
「どうぞ」と答える。

でも、基本は嫌煙家だ。

街での歩き煙草には顔を曇らせるし、
ホタル族(隣家のベランダから)の臭いにも敏感。

歩き煙草は、
子供の目の高さに火元がきて危険と言われるが
僕自身も腕にジュッとやられたことがある。
こんれが、めちゃくちゃ熱いんよ!!!

ほんの少し気を使って手首を返し、
火元を地面に向けるとかすればイイのに。

前を歩いている喫煙者から
より身体に有害と言われている副流煙を
直に吸い込まされたりするのも不快だ。
身体に云々という以前に、けむいんじゃっ!!

「他人の煙りは嫌だ」という喫煙者も多いと聞くが
自分の煙りの行き先には無頓着というのが
ホントに不思議でならない。

そんな僕も、
開高健氏の著書にハマった時には
「煙草ってイイかも」って、
思ったりもしたんだけどねぇ~…。


映画と関係ない話しで長くなってしまいました。

この映画は、
煙草の「善し悪し」を問うものでは決してない。
煙草がモチーフとして取り上げられているものの
それ自体はそんなに重要じゃあないのだ。

どんな不利な立場でも、話術と戦略次第で
相手をケムにまくことができる
ニック・ ネイラー演じる主人公の巧みな情報操作と
それに踊らされるかのような社会の在り方を
ドロドロとした人間の嫌らしさを交えながらも
軽~いタッチで描いていて爽快!!!

ゲラゲラ笑うようなものではなく
頭の中を、なんともいえない心地よさで
揉まれているかのような、
はたまた、脳をくすぐられているかのような快感だ。

面白かった!!


原題の『THANK YOU FOR SMOKING』を
直訳すると「喫煙してくれてありがとう」。

なぜか『FOR』が抜け
『サンキュー・スモーキング』となった邦題を
直訳すると「あなたに喫煙を感謝します」。
なんとも、おマヌケだねぇ~。

スネーク・フライト

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無性に
おバカ映画が観たい時がある。

時間の無駄。
金の無駄。

だけど「無駄」おおいに結構!

無駄、バンザイ!!!
「無駄」。なんて贅沢な響きなんだろう。


この作品を観て、
人生が変わる人なんていないだろう。
映画で人生が変わるような人が選ぶ作品では
到底ないけど(笑)。

今、なぜ、サミュエル・L・ジャクソンが
こういった作品を選んだのかさえも
不思議でならない。

なにかの罰ゲームなんじゃろか?


いやぁ~、ここまで強烈なおバカ映画には
久しぶりに出会えたねぇ~♪

出るわ出るわ、これでもか、これでもかと
毒蛇たちが、うじゃうじゃニョロニョロ!!

伏線も、どんでん返しも何もなし。
直球のみでの勝負に、ついつい笑ってしまうほど。
こんなに人が死んでるのに、笑っててイイのか?


かつて流行ったパニック映画を彷彿とさせる
荒唐無稽な怪作だ。
それ以上でも、それ以下でもな~しっ!!!!!

カポーティ

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静寂と鋭利。

体中の血が
変な熱をもつかのような、

逆に凍っていくかのような。

激しい描写がない
とは言わないが
それはごくごく一部。

全体を覆うのは、
ウィットにとんだ知的な雰囲気と
あえて孤独を楽しむような、
自虐的なクールさ。

そして、緩慢だけれど途切れない緊張感。


目が離せない。


人を狂わすものは、一体何なのだろうか?

知性があっても
抗うことのできない衝動。
理性は、どこに行ってしまうのだろう?

そもそも理性って何だ?

一家惨殺事件容疑者の瞳は
一見、穏やかで優しげにすら見える。
でも、薄い皮を一枚剥がせば
爪を研いだ鬼畜が潜んでいる。

理解できないものに対する恐怖心からか
僕は、あさはかな展開を予想してしまったが
思いのほかヒューマンな展開に…。

とは言え、心暖まる展開ではないけれど…。


もしかしたら、知らぬ間に
カポーティの気持ちになっていたのかもしれない。
気持ちの揺れが、とても良く伝わってきた。

人間の気持ちはひとつではない。
表裏一体の危うさを保ちつつ、
同時に別の気持ちが生まれていたりもする。
そこに葛藤があるかと言うと、案外共存していて
言葉にすると複雑怪奇だし
冷静に考えると理解不可能。


「冷血」とは、トルーマン・カポーティ自身の
心をも表現したタイトルだったのか?!

特異なキャラクターの表面だけをなぞることなく
繊細でリアルな内面を感じさせてくれた
フィリップ・シーモア・ホフマンに拍手!

天使の卵

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沢尻エリカちゃんがスゴイ!

強い存在感で
着実に輝きを増してきている彼女だけど、
このフィルムの中では
主役二人が霞むほどキラキラしてる。

彼女の役、夏姫としては
作品のバランスを崩し、輝き過ぎているくらいだ。


僕は、小西真奈美ちゃんが大好きだ!

「ぐびなま飲も♪」と言われたら
たとえ限界を越えてでも、飲ませて頂くだろう。

彼女の消え入るような儚さと、
だけどふんわり輝くような透明感が
彼女の演技力と、
光を意識した写真のような撮影によって
フィルムの中から溢れ出している。

天使がまわりに漂っているかのような
おだやかで優しい光に包まれた、
春のひだまりのような小西真奈美ちゃん演じる春妃。

これまで彼女が出演した作品の中でも
ここまでイメージ通りに画面に存在している作品は
なかったのではないだろうか。

そんな彼女をもってしても、
今回の沢尻エリカちゃんのパワーは強烈なのである。


火花を散らすかのような女優合戦の中、
あまりにも拙い市原隼人くんの演技。
生まれもった造型を生かした表情はイイものの
一本調子のセリフまわしにへき易。

常に肩に力の入った声色に、
読まされている感ありありの棒読みセリフ。
学芸会かっちゅうの!

カーテンの隙間から一筋差し込んだ朝陽を感じさせる
まばゆいばかりに美しい映像満載の作品世界も
ぜぇ~んぶ
安っぽいハリボテに見えてきちゃってぶち壊し。


あ~ぁ、がっかりだ…。


SunSet Swishの主題曲「君がいるから」。
最初はキレイな曲だなぁ~って思ったんだけど、
歌詞がねぇ~…。
すべてが、どこかで聞いたことのあるフレーズで安い。

こういう安直な歌詞を聞くと、なんだか腹がたつよ。

夜のピクニック

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学校の図書室にある
文部省推薦図書。
または、夏休みの
課題図書みたいだ。

はたまた
「中学生日記」みたいな感じ。

そうかと言って
生真面目で硬派な作品などではなく
少々やり過ぎの感がある、笑えない悪のりが多くて…。

多くの個性的な脇キャラクターが
「ああ、いるいるこんなヤツ(笑)」と、
共感を呼びはする。

ただ、独特のおちゃらけテンションには
かなり終盤まで、慣れることができなかった。
もしも映画館でなかったら
途中で見るのを止めてただろうな。


あどけなさが抜けない
主人公・貴子役の多部未華子ちゃん。

恋心も交えつつ、複雑な人間関係に悩む姿に
初々しさ、瑞々しさがほとばしる…かというと
そこまで大人の入口には来ていないようで
まだまだ幼い子供の表情なんだよねぇ~。

早熟な子供達が増えている昨今
ある意味、貴重なキャラクターかもしれない。


「ただ一緒に歩くだけ」で話しが展開するワケではなく
色んなことが起こる起こる。

それらの解決の糸口が
「ただ一緒に歩くだけ」の無駄に思える時間なのだ。

一緒に居る時間ってのは、
言葉以上に何かを伝えあえるんだねぇ~。
そして、約束しないと会えなくなってから宝物だとわかる。


どんなに最善を尽くしているつもりでも
一度絡まった人間関係を無理にほぐそうとすれば
更に絡まるか、最悪の場合には切れてしまうものだ。

抗うことなく、そして目を背けることなく
ゆっくりとほどけていくのを待つのは
決して逃げではないんだろうな。と改めて思った。


エンディングで流れるモンキーマジックの曲
『フタリ』。
ちょっとマイナー調で、すごく切ない。イイ詩です。

スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ

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僕は、
かなぁ~りのスケバン刑事好き。
なので、今回は特に熱いっすよ!

和田慎二の原作漫画は
鬱屈しつつも
清々しい激しさがあって
漫画史上に残る名作だと思う。

そして、全くの別物として
TV版のスケバン刑事が好き。

放送終了から20年近く過ぎているにも関わらず
「好きだった」ではなく「好き」なのである。

我家では「スケバン」という単語のせいか
微妙に「見てはいけない番組」だったけど隠れて熱中。

今でも、
子犬を抱き上げると『白い炎』を、
風に枯れ葉が舞うと『悲しみモニュメント』を、
坂道を昇る時には『なぜ? の嵐』、
新しい靴を履いた日は『楽園のDoor』、
夜道を小走りする時には『ハートのIgnition』、
赤い星を見つけると『STAR』、
台風の時には『Remenber』、
馬に乗る時には『Believe Again』(←これは嘘)を
ついつい口ずさんでしまうほどである。

なぜこんなに惹かれるのかは分からない。
まともな感覚で見たら相当なおバカ番組だしね(笑)。

でも、いいのだ。僕もおバカなんだし♪


カット割りが多くテンポの良い
テレビ版スケバン刑事は好きなのだが
南野陽子主演の映画版『スケバン刑事』及び
浅香唯主演『スケバン刑事 風間三姉妹の逆襲』は
妙に重く、間延びしてて
イマイチ面白く思えなかった。

ただ少女アイドルが戦っていればイイわけではないらしい。
…たぶん(笑)。


さてさて、やっと本題。
『あやや』こと、松浦亜矢主演のこの作品はいかに?!

まず客層が…秋葉系。
あぁ~、僕もこの一員なのねぇ~(涙)。

んで、本編…うぅ~ん、厳しいなぁ~。
思わせぶりな展開が、かえって陳腐さを増長してて痛い。
世界征服を目論む悪の組織が、幼稚園バスを襲うのと似てる。
設定に振り回されて、キャラクターが動かないところが
『少女コマンドーIZUMI』っぽいかも。

別に物語りに期待して見るような作品ではないけど
今どき、こんなプロットで映画を創るとは…。

エノラゲイという単語や
初代スケバン刑事の斉藤由貴ちゃんが母親役だったり
暗闇指令が長門裕之だったりと、
往年のファン心をくすぐる嬉しい設定はあっても
だから何?って感じだ。

途中出てくる、コメディタッチな展開で全編通して
最後だけキッチリ締めるって方が好きだなぁ~。
あ、そうすると三代目・浅香唯みたいになっちゃうか…。

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あややもイメージ変えて
かなり頑張ってるとは思うし、
石川梨華ちゃんも
すんごいけどねぇ~。

でも、
潜入捜査の特命刑事が
あんなに目立っちゃうってのはどうよ。


過去の作品と比べるのは意味がないとは思うから
あえて比較はしないけど
一本の作品として、はなはだ不満足!!!!!!!

観なきゃ良かった…。

麻宮サキよ永遠なれぇ~!!!!

涙そうそう

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ずるいさぁ~。

泣いたさぁ~。

まさに、
涙そうそうさぁ~。

主演二人の表情が
ホントに良かったぁ~!!


妻夫木聡くん演じるにーにーと
その妹を演じる長澤まさみちゃん。

くぅ~っ、
僕も「にーにー」って呼ばれてぇー(笑)!!

ちょっと真面目路線が続いてた妻夫木くんだけど
彼の最大の武器は、やっぱりあの笑顔だねぇ~!
長澤まさみちゃんの、
ころころ変わるイキイキした表情って
初めて見た気がする。いやぁ~、可愛いっ!!


妻夫木くんの恋人役を演じる麻生久美子ちゃん。
高嶺の花な恋人と
血の繋がらない妹の間で揺れるなんて
あだち充の漫画『みゆき』みたいな設定やね。

『みゆき』そのままに妹に恋心を抱いてたら
ナマナマしくて恐いことになっちゃうだろうけど
いい塩梅で、兄妹の爽やかな愛情になっている。

いつのまにか
当たり前のように傍にあるものが
決して永遠ではないし、
当たり前ではない存在だということに気づかされ
感謝したい気持ちになれた。


他愛無い会話や挨拶、「ありがとう」の一言。
さりげない優しさと思いやりに溢れてて
ホントに、いい作品を観させていただきました。


主題歌の『涙そうそう』は、
夏川りみちゃんバージョン。
幾度となく耳にしているこの曲だけど
エンディングで流れると、またまた沁みるのさぁ~。


ちょいとネタばれ注意!!


マジで、ネタばれ注意だってば!!


すっごくいい作品だけど
にーにーは死ななくてもいいよねぇ~。

泣かないように一所懸命生きてきた兄妹。
兄の死にすら涙を堪えようとする妹に
「泣きたい時には、思いきり泣いていいさぁ~」という
沖縄おばあと言えばこの人「平良とみ」さんのセリフ。
泣かせどころ感があって、ちょっと嫌だった。
はい、それでも僕も泣きましたけどね…。

必ず来る、今生の別れ。
今は泣いても、明日はまた笑顔で行こう。
笑顔でいけば、なんくるないさ!
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