2006年12月

鉄コン筋クリート

a5735c70.jpg
今年も、たくさんの
映画を観られました。

なっかなか更新しない
このブログを
気長ぁ~~~に
見守って下さっている皆さん
感謝感謝でございます!

書き込みをしてくれる方々、
いつもありがとねー!


今年、最後の一本に選んだのは
松本大洋原作の「鉄コン筋クリート」。

人の「光」と「影」を、とても分かりやすく
だけど薄っぺらにならずに表現している。

日常で使う言葉に、神々しさまで
感じちゃう。なんて書くと大袈裟かな?


「光」を象徴するシロというキャラクターと
「影」を象徴するクロの二人が出てくる。

普通に考えると
「光と影」は「表と裏」だけど、
この作品では
「光」は必ずしも表ではなく
「影」は決して裏とは限らない。

一人の人間の中に、複雑に絡み合っていて
ややもすると「影」が
「光」を覆い隠している場合もある。
それは、しごく当たり前のことなのにも関わらず
それをここまで素直に表現されると
かえって新鮮だ。


「ネコふんじゃった」を楽譜にすると
かなり高度な作品になるらしい。
そんな曲なのに、小学生でも
聞きかじって弾くことができる。

生きていくことも「ネコふんじゃった」と一緒。

頭が良過ぎて
生きるのが辛くなっちゃう人もいるし
頭で考えれば考えるほど、生きていくことは大変。
だけど
それでも大半の人が、なんとなぁ~くで生きていける。

思慮深いのは、もちろん悪いことではないけれど
なにごとも、ほどほどがイイのかもしれないね。


松本大洋って、サラッと哲学的。
凄いなぁ~!

硫黄島からの手紙

4f66bd36.jpg
僕は、戦争映画は苦手だ。
どんなものを観ても
同じような感想しか浮かばない。

「戦争は人を鬼畜に変える」
「あまりの哀しさに涙も出ない」
そして…
「その時代に生まれなくて良かった」

たとえリアルな表現があろうとも
きっと、現実よりは
キレイに描かれているだろうと
穿った見方もしてしまう…。


硫黄島を描いたニ部作として
先に上映された「父親たちの星条旗」は観ていない。
それでも、クリント・イーストウッドが
日本人の目線で撮ったということに興味を感じ
劇場に足を運んだ。

声高に戦争反対とは叫ばず
感情に訴えるお涙頂戴でもない。

一歩引いた視線で
淡々と人が死んでいく。

渡辺謙が演じるような上官が本当に居たのか
はなはだ疑問だが、
あの部分がフィクションならば
サムライ・スピリットの殻を被った夢物語りだろう。

今現在を生きる感覚からすると
二宮和也くん演じる西郷の考え方はしごく当たり前で
感情移入してしまうけれど
当時の人間も、同じような感覚を持ち得たのだろうか?


全体に灰色がかった押さえた色調の中に、
日の丸の赤や、炎の色の鮮明さが生々しい。

勧善懲悪の描き方ではなく
切々と情感に訴えるものでもない。
正直、目新しい描き方とは思えない…。

繰り返してはいけないことだなぁ~。としか
思えなかった。
陳腐な表現しか浮かばない自分が歯がゆい。


観賞後、さっそく居酒屋にて友達と一杯。
現実の世界でも血なまぐさいことが続いているものの
つくづく平和な時代やねぇ~。

リトル*ミス*サンシャイン

けっしてdcc9b239.jpg

感動の涙で
スクリーンが
見えなくなるような
映画じゃあない。

最初から最後まで、
シニカルでブラックな
ばかばかしいドタバタが繰り返されるだけ。

展開自体も、
そうとう現実離れしている。

なのに、なぜか
映画を観たあとはすっごくイイ気分なのだ。


人間って、どこか、ちょっと変。
いわゆる普通の人なんて滅多に出会ったことがない。
僕のまわりにも
愛すべき、ちょっと変な人達がいっぱいだ♪

変わり者の僕のまわりにいる人達だから
余計にそうなのかもしれないけど(笑)。


ただ、友達だったらつゆ知らず
その変わり者が家族だったら…。


この映画に出てくるのは、家族でありながら
まるで他人のようにバラバラな人達。
一緒にいる必要性なんて、微塵も感じられない。

そう必要性なんて
きっと、
そんなに意味がないことなのかも。と思った。

よく倦怠期のカップルが
「お互いの必要性を感じない」なんて言うけど
そんなのは後付け。
好きになるのに明確な理由がないことが多いように
嫌いになるにも、きっとただなんとなく嫌なだけ。

好きや嫌いとは別の次元で
ただなんとなく一緒にいることが当たり前
という人がいるということは
それだけで嬉しいことなんだよね♪


この映画の影の主役、黄色いミニバン。
最初は嫌々だった家族との空間が
いつの間にか、
ちょっと居心地のイイ場所になっている。

この余韻が、たまらなくイイんだなぁ~。

「家族の絆」なんて言葉にすると
ちょっと胡散臭くなっちゃうけど
限りある、一緒にいられる時間に感謝しなくちゃね!!

こういう映画だぁ~い好きっ!!!!!

007 カジノ・ロワイヤル

72040220.jpg
これぞハリウ~ッド!

娯楽大作バンザーイ!!

オープニングの
モノクロームの映像が
くぅ~っ、格好イイ!!

湯気の漂う夜道から、
無機質なエレベーターへ。

手前のボケ味と
滑らかに移動するカメラワーク。
ダニエル・クレイグの青い瞳が
モノクロ画面ではクールな輝きを放つ。
フィルム・ノワールを感じさせて
うぅ~ん堪らん!

かと思うと
一転、灼熱の太陽が照りつける鮮明なカラーになり
怒濤のアクションに次ぐアクション!!
ハリウッドだねぇ~。
たぶんCGではないであろう危険な生身の映像に
思わず足がすくみ、手に汗を握った。
すげぇ~っ!
劇場にも関わらず
「おぉっ!」と声を漏らしてしまった。

007シリーズの見どころといえば
有り得ないような秘密道具(ドラえもん?)と
はちきれんばかりの絶世の美女だけど
今回は、どちらも控え目。

洗練されたイメージで、
ちょいとヤサ男のイギリス紳士だった
ピアース・ブロスナンの007とは違う。

ジェイムズ・ボンドが007になるまでの物語りには
荒削りで、野性味溢れる危険な男という感じの
ダニエル・クレイグがピッタリハマってる。
イイじゃなぁーい!

「007」シリーズに思い入れのある人からは
キャスティングに対して、随分批判的な意見が多かったけど
やっぱり観てみないと分からないよねぇ~。

興奮したーーー!!!!

暗いところで待ち合わせ

d5757503.jpg
ちょっと不思議な
タイトルに惹かれた。

主役が田中麗奈ちゃんと
チェン・ボーリンくん
というのにも魅力を感じ、
予備知識のないまま
劇場に足を運んだ。

…なんじゃこりゃ、この安っぽい映像は。

まるでハリボテのような部屋。
そんなに制作費が無かったんだろうかと
同情するなら金をあげたくなるほど
貧相で薄っぺらく惨めな感じだ。

撮り方で工夫しようという
意気込みすら、ほとんど感じられることがなく、
どう撮ったらこんなにやる気のない映像になるのか
聞きたくなるくらいだ。

井川遥の、とあるシーンは
まるで妖怪変化が登場したかのごとくで
思わず吹き出しそうになる迫力だったけど…。


ストーリーや役者さんたちが
どぉ~んなにイイものを持っていても
あれでは可哀想だ。可哀想すぎるっ!!


それぞれの登場人物が抱えている
ひとりぼっちで居場所のない疎外感が
会話もなく、ただ傍にいるだけで
ゆっくりと解けていく過程は心地良い。

撮り方によっては、
きっとイイ作品になったんだろうけどなぁ~。
もったいないなぁ~。

敬愛なるベートーベン

546361c0.jpg
『第九』ってスゴイ!

ただただ曲の力に感服!

エド・ハリスの怪演や
ダイアン・クルーガーの
気丈且つ初々しい魅力が
絡み合い、艶かしい
エロスを感じさせる。

『第九』の指揮をするくだりの
恍惚とした表情は、まさにセックスそのものだ。

そして
それを神々しくすら感じさせる『第九』の大迫力!

いやぁ~、まいった!
ここ数年の露出度はモーツァルトの方が高いけど
ベートーベンもやっぱり凄いやね!


不安を駆り立てるオープニングや
イメージカットでつなぎ
全体を感じさせるなどの、映像の積み重ねは見事。

でも、緊張感のわりに単調で面白みに欠けるし
時系列をいじって、ベートーベンを看取るシーンを
冒頭にもってきた意味がわからん。

「映像の積み重ねは見事」と書いたが
そのオープニングが生きているかは別。
悪魔払いでも出てくる恐怖映画ならば最高だろう。


最大にして最後の盛り上がりである
『第九』のシーンがエンディングではないのがツライ。
人生だから、衰退があるのは仕方ないんだけど
次第に観ているのが苦痛になってくる感じだった。


ベートーベンと、写譜師アンナ・ホルツとの
恋愛でもなく、師弟愛だけでもない微妙な関係に終始して
その他大勢はおざなりな描かれ方なせいか
スケールのわりにこぢんまりした印象。

圧倒的な音楽の力に
おんぶにだっこという感じだなぁ~。


『映画史に残る名作の誕生』ってCMのコピー。
そう思う人はいない。とまでは言い切らないけど
作品を表現するコピーとしては、完全な押し付けだね。

手紙

4d1c40de.jpg
言葉にできない。

だけど
行間からこぼれる思い。

手紙なんて
滅多に書かなくなっちゃったけど
メールとは違う何かを
届けてくれたような気がする。

「したためる」という素敵な響きの日本語は、
手紙にしか使えないくらいだしね。

デジタルは希薄だ!と言い切るつもりは毛頭ないけど
直筆は、やっぱりイイものだよねぇ~。


泣かせ映画感が強くて
敬遠しかけたんだけど、観て良かった!

犯罪者に対する世間の厳しさや偏見。
もちろん現実には、
もっともっともっと厳しいものなんだろうけれど
「罪を憎んで人を憎まず」という言葉は
そうし難いからこそ
生まれた言葉なんだろうな。と思った。


揺れ動く兄弟の愛情。
愛を語る人間のもろさや儚さ。
人を許すことの難しさや、それをしようとする強さ。
主役達だけではない心の動きも丁寧に描かれていて
胸が熱くなる。

山田孝之くん演じる弟が
玉山鉄二くん演じる服役中の兄の前でやる、お笑いのステージ。
くぅぅ~~~、泣けるぅぅ~~~っ!!


たとえ過去に罪を犯した人であっても
今の、そしてこれからのその人を見てあげたい。
過去があって、今があるわけだから。ね。

感動のエンディングに流れる
小田和正の「言葉にできない」。
ええなぁ~。

…感慨にふけっていたら
なにやらそぐわない歌が…。
ええっ?主題歌はこれなの?!
エンドロールに取って付けたような曲が流れるのって
気がそがれちゃうよねぇ~。

この映画に限っては
小田和正氏の曲が終わった時点で
耳を塞ぐのをお薦めしたいくらいですな。


桜のシーンなど、
もっと美しく撮れてもいいかと思うんだけど
映像としては、極めて正統派で面白みがない。
映画としての絵がないのが、とても残念。
livedoor プロフィール
記事検索
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ