2007年10月

ヘアスプレー

うぅ~ん♪
楽しかったぁーー!!

これは絶対劇場で観るべしっ!!

予告を見る限りでは、
おデブな少女が自分を信じ
恋と成功をつかむ
サクセスストーリーってな感じで
何も考えずに観られる
お気楽ムービーかと思われるのだが、
いやいやどうして、そんな単純なものではなかった。

背景には
人種差別などに対する
力強いメッセージが込められた
見応えある作品になっている。

それでも、
描き方はいたってPOP!

しょっぱなからノリノリのミュージカルシーンに
わくわくさせられ、
16歳のぽっちゃり(というより重量級?)少女
トレーシーによる元気いっぱいの歌と踊りが
文字どおり画面狭しと繰り広げられる。

トレーシー役のニッキー・ブロンスキーは
初めて見た顔だけど、
とても天真爛漫でイイね!!

「ヘアスプレー」でトレーシーの母親役を演じるのは
『男』と決まっているらしい。
これを今回は、ジョン・トラボルタが怪演。
手足のでかさは隠せるものではなく無気味だったが
思った以上に違和感なく観られた。

ああいうおばちゃん居るよねぇ~!!

せっかく彼が演じるのだから
最後には「サタデー・ナイト・フィーバー」を
彷佛とさせるダンスを見たかったものだが…残念。
そのせいか、見た目のインパクトほど
役としての味はないように思える。


父親役のクリストファー・ ウォーケンは
今まで見た事のないような優しいまなざしで
父親役としては歳取り過ぎてないか?
という不安をよそに
とてもキュートな魅力が出ていた。

トラボルタとウォーケンのダンスシーンは
とてもファンタジック?!で必見(笑)!!


トレーシーのライバル役の娘は
こぢんまりとしていてイマイチ物足りなかったが、
その母親ベルマ役であるミシェル・ファイファーの
ビッチぶりが凄まじく
悪役として、ノリに乗ってて目が離せない!

いいぞっ!ミシェル!!

トレーシーと交流を深める黒人の高校生シーウィード。
そして、その母親メイベル役のクイーン・ラティファ!
んもう、迫力満点の素晴らしい存在感で
この映画のメッセージを歌い上げる様には、
グッと胸が熱くなった。
ある意味、この映画の主役だね。


こういう作品を見て勘違いしてはいけないのが、
けっしてどちらかが優れているとか劣っているとか
そういう次元で話してはいけないということ。

『ドリームガールズ』でも描かれていたが
同じ曲を、メロディアスでポップに歌う白人と、
ダンサブルでソウルフルに表現する黒人。
それぞれに良さがあり、
ただ、どちらを好むのかというだけのこと。

多種多様のお互いを認めてこそ
それぞれが輝くのだから。


時代は変わっていくということを案じさせるラストに、
今現在も根深く残る人種差別を憂いつつ
希望を抱かずにはいられない爽快感が漂う。

歌と踊りを純粋に楽しませつつ、
さらにしっかりと心に響いてくる、素敵な作品でした!!

ちなみに僕は、
ダークチョコも美味しいと思うけれど
バニラアイスも奥深くて大好きでっす♪

めがね

初日の舞台挨拶は
主演の小林聡美ちゃんはもちろん
もたいまさこさんなどの
主要メンバーが総出演だった。

それを是非見るべく
公開三日前のチケット売り出し日に
劇場へと赴いた。

平日の朝早めにも関わらず、
既に長蛇の列が!

チケット窓口が開き
発売を開始して間もなく、
10分するかしないかの時に
「めがねの舞台挨拶付きは完売しましたぁ~!」の声。

うぅ~ん、残念だったなぁ~。


そんなこんなで、結局は初日を避け後日に。
微妙な評判を聞いたりもしたので
過大な期待はなく、少々落ち着いた心持ちで鑑賞。

どうしても
「かもめ食堂」の面白さを期待してしまうものだが、
それは厳禁だと、友達にも言われたのでね。

まず、光の感じが全く違う。
あ、もう比べちゃってる(笑)。
特定の場所ではないという設定だが
空気感は身近なものを感じさせ
夢物語的な雰囲気は映像からは感じられない。

のんびりした空気はあるものの
小林聡美ちゃんが演じるタエコの視線が
ハスに構えているせいか
イマイチ素直に楽しむことができない。

まあ、冷静に考えたら
客を放ってどこかに出かけたり
目覚めたら枕元に座られていたりなどしたら
笑うどころか怒るのが普通だろうが…。


日本人の美徳で
「とりあえず最初は断る」というのがある。

A「どうぞ」
B「いえ、けっこうです」
A「そんなこと言わずに」
B「いえ、ホントにけっこうです」
A「ま、ま、そう言わずに」
B「そうですか…、そんなに言うなら…」

面倒臭いっちゃあ面倒臭いことではあるが
そんなやりとりに、奥ゆかしさや優しさが
にじみ出ていてのだろう。

『めがね』に出てくる宿「ハマダ」の人たちは
押し付けることは決してしないが、
断ると
一回で「そうですか」と笑顔で引くのだ。
僕には、そのドライさが
なんだか、とっても悲しく思えた。


「黄昏れる」というキーワードのもと
ゆったりと物語りは進む。

そんな黄昏れに馴染めないタエコの違和感は
そのまま、観ている僕にも伝わってきた。
結局、逃げていても居場所はなく
自分から積極的に居場所を求めないといけないのね…。

面白可笑しい「メルシー体操」。
最初は馴染めなかったタエコが
なぜ急に楽しそうに入っていけたのかが謎だ。
僕が読み解けなかっただけかもしれないが
そこが、とても重要な気がするのに…。


劇中出てくる美味しそうな食事の数々。
たかが梅干しでさえ、なんだか愛おしい感じだ。

加瀬亮くんが読んだドイツ語の詩は
どういう意味だったのかなぁ~?
意味は分からないけど
なんだか、とってもいい心地だったなぁ。

人の気持ちは日々不安定で、
ささやかな出来事に一喜一憂してしまうものだが
過ぎてゆくことに固執することなく
だけど流されず受け止めていけば
大切なものがじわぁ~っと浮かび上がってくるのかもしれない。

光石研さん演じる「ハマダ」の主人の笑顔を、
最初はうさん臭いと感じたんだけど
最後には和む笑顔に思えたのは
洗脳されてしまったのだろうか(笑)?

ドライに思えた態度の奥に
優しさが見え隠れしているような。

それは、結局は自分の心持ち次第なんだな。

とりたてて爽快感もないが
昼寝の後の、なんともいえない幸福感みたいな
ぽやぁ~んとした余韻が残る作品でした♪

ファンタスティックフォー 銀河の危機

まるで
子供向け番組かのような
安いタイトルがサイコー!

内容自体、
アメコミそのまんまだし
昨今の、大人も楽しめる
ハードな特撮モノTVよりも
はるかにチープかも?!

でもね、それでもね、
この軽さが、たまらなく好きなんだよねぇ~。


設定自体は複雑ではないものの
前回の説明は「まったくない」ので
初めて観る人には不親切な作りだ。

主人公のはずの
ヨアン・グリフィズ演じるリードは
今回も野暮ったさ全開。
活躍シーンを思い返そうとしても
変なダンスシーンしか思い浮かばない。

もうヒーローとは呼べない感じだ。


ジェシカ・アルバは相変わらず可愛い♪
だけど、お肌がちょっと痛々しいねぇ…。
忙しいのかなぁ~、なんて
余計な心配をしちゃった。


妙な日本テイストなシーンが多数出てくるのだが、
そのうさん臭く悪趣味な感じが、
ますます映画のチープさに拍車をかけている。


シルバーサーファーなる
全身銀色のキャラクターが今回の話しの核。

実写に迫る勢いのCGが全盛の中で
ここまで安っぽいものを作るなんて…。
メタリックの質感云々ではなく、
構図や使い方に工夫が感じられないんだよねぇ~。

内容的には人くさく、深ぁ~いキャラクターなだけに
そこが残念でならない。
モーションキャプチャーとか使えなかったのかしら?


銀河の危機なる巨大な敵も、巨大すぎて
何がなんだか分からない。
地球を飲み込んじゃうような大きさのものと、
対峙してもねぇ~。
それにしても、スケールが宇宙規模なわりに
緊迫感が薄いのはどうしたものか?

いくらサラッと軽いテイストがこの作品の売りでも
2時間余りの映画なので、締めるトコは締めて頂かないと。


続編ともなると仕方ないのかもしれないが
無理に話しを大きくなどしないで
ユルくてお気楽なヒーローものとして描いてくれた方が
僕としては楽しいなぁ。
プロフィール

ヨネえもん

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