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オムニバスでありながら、
連作的なものもあって
それが作品の格になっている。

それ以外は見事にバラバラ。

中でも特異な
佐野史郎と渡辺えり子さんが主演の
ミュージカル仕立ての作品。
ド派手な色彩とライティング。
流石組の華麗なダンスワーク。
しょっぱながこれで度胆を抜かれ
この映画を最後まで観られるのか
不安さえもよぎったが
こういうコテコテなの、けぇ~っこう好きだな。

中村獅童が主演の連作短編が、別な意味でベタ。
子供時代のエピソードは
どうにも郷愁を禁じ得ない作りなんだよなぁ~。
劇団ひまわり的な子供の演技が泣かせる。

佐藤隆太と乙葉のヘンテコな恋物語に
飼い犬の恋が絡み、モノローグが笑えるコメディも
あまりに寒くて泣かせる。

そして、
「あ、泣かせが始まった!」と、はっきり分かる
宮崎あおいちゃん主演の作品。
彼女の自然な魅力も相まって
分かっちゃいるけど、やっぱり泣けた。

うぅ~ん、予想以上のものは何もなく
面白いわけでは断じてないんだけど、
こんなに安直なものもたまにはイイかも。
…ホントか?

これを映画と言っていいのか?
という疑問は置いておいて、
とりあえず、犬と子供が出てりゃあOK!って人には
孤高の映画の誕生である(笑)。
笑ったぶんだけ、楽しくなれる。
泣いたぶんだけ、優しくなれる。

「ジョゼと虎と魚たち」の犬童一心など各分野で活躍中のクリエイター7人による、犬のいる生活のエピソードをリレー形式でつないだオムニバス映画。ミュージカルやアニメ、コメディ、感動ドラマなどの物語が展開する。CM作りで落ち込んでいた山田は、ひょんなことから少年時代をいっしょに過ごした柴犬・ポチとの日々を思い出す。転校生で体の弱かった山田少年は、空き地で捨て犬を拾い、ポチと名づける。毎日遊んで仲良くなったころ、予期せぬ別れが訪れ、ポチは突然ひとりぼっちになってしまう。

2004年・日本・ザナドゥー
監督; 犬童一心,他
出演; 中村獅童,伊東美咲,宮崎あおい,小西真奈美,乙葉,佐野史郎,渡辺えり子,天海祐希
1時間36分 2005/3/19公開