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おひょいさんこと
藤村俊二さんのナレーションが
聞こえてきそうなタイトル。

シャンテシネっぽい作品かと思ったら
いかにもシネスイッチ銀座!
という感じの作品でした。

物語の舞台は、過疎化した島。
とても笑えない深刻な舞台背景なのに
見事にコメディタッチで描かれてます。

とは言っても、手放しで笑うものではなく
人の滑稽さや、哀しさの中に見い出される
生きている笑いとでも言うのかなぁ。
地味だけど自然に湧き出る可笑しさです。

都会から島にやってきた医師。
島民の嘘に騙されている時の彼の表情が
とても微笑ましい!


「嘘をつくこと」=「誇りの表れ」

この方程式に気付いたのは、映画も終わろうかという頃。
終盤まで、
なぜ本当のことを言わないのかと
イライラしていたぐらいだ。

たくさんのモノに溢れた状態で生活している僕には、
彼らのように、最後に残った「誇り」を守っていくことが
一体どういうことなのかは、想像することしか出来ない。

それでも、限られたものの中で
多くを求めず生きていく姿にはとても共感できるし
与えられたものに対して、限られているからこその
最大限の感謝と喜びを見出せる部分は、羨ましくもあった。


出ている人たちの笑顔が、とぉ~っても素朴で良いのだぁ~。
もちろん彼らは役者なんだろうけれど…。

ともすれば物欲で心を満たしがちな自分を顧みて
ちょっと反省。