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れじぇ~んど
おぶ ざ げいしゃ

なんという美しさ!

イメージとしての
「Japan」を
こんなにも華やかで
且つ、慎ましさの中にある
強さという内面まで丁寧に描くなんて!

まさに、アジアンスのCMの外国人のように
嫉妬しながら拍手って感じだ。

僕は、芸者の世界について明るくない。
だけど、
間違った解釈のとんでもない日本観などではなく
しっかりと咀嚼した上で、
独自の世界観にしていることは分かる。

雅びな京言葉でのこの作品を
観てみたいとも思うけど
それを言うのは野暮だよね。

セリフが英語というのは意外に自然。
というと嘘になるが
思ったほど気にはならなかった。
むしろ、
時々混じる日本語のほうが可笑しかった。

チャン・ツィイー演じるサユリが、
芸者の稽古を重ねる過程が
ただ真面目なだけではなく、おきゃんで面白い。
彼女の素晴らしさもさることながら
他の女優陣も、みんな魅力的だった!!

桃井かおり姐さんの良さは
英語セリフだと少々殺されてしまった感じだ。
工藤夕貴ちゃんが演じる
「おかぼ(パンプキン)」は
ちょっと抜けた感じで、すっごく可愛かった。
彼女があまりに良過ぎたので、
逆に出番を削られたという噂もある。

コン・リーの「初桃」は、
ある時はしとどに濡れ、
ある時は業火のように燃える激しさを見せ、
目が離せない。
主役の座を取って変わられる女の情念を
現実の彼女と重ねてしまい、
演技に見えない迫力にほれぼれ!
彼女が出なくなる終盤は、
かなり物足りなくなっちゃうくらいだ。

堂々とした貫禄と、意外なほど日本人らしい
凛とした美しさに溢れた
「豆葉姐さん」ことミシェル・ヨー。
穏やかな声も良いんだよなぁ~。
んもう、素晴らしい!!

女優陣の華やかさに比べて、
どうしても地味に見えちゃうけど
役所広司さんの
子供みたいな表情が垣間見える朴訥さや、
渡辺謙さんの
感情を抑えつつ溢れ出る男っぷりなど
男性陣もすごく良かった!

3時間近くの大作だけど、
思いのほか堅苦しくないので
グイグイ引っ張られて観られる感じだった。

いいもん観させてもらいました!