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人間って、一体なんだろう?

大義名分があったからと言って
人を殺めていいわけではないけれど
聖地を奪い合うわけでも、
私利私欲というわけでもなく、
ただ
存在することだけを忌み嫌い
ここまで鬼畜になれるなんて…。


何も分からない幼児でも
白人、黒人、黄色人種などを同じ環境で育てたら
お互いの違いを嫌い、自分が優位に立とうとするらしい。

この映画の舞台では、外見的な違いは皆無。
ただ、後付けの「族」という違いがあるだけだ。

ただ、それだけ。

行き場のない怒りによって、
やりきれない悲しみが湧いてくる。

かろうじて救いのある描き方と
ドキュメンタリーではなく、映画として観られるのが救いだ。
そうでなければ辛過ぎる…。

アメリカの報道クルーが、何もできず
ただ恥じ入っている部分にも身がつまされる思いだった。
『大半の人は、
 虐待の映像を見ても「恐いねぇ」と言うだけで
 次の瞬間にはディナーに戻る』
胸をえぐられるような、セリフだった。


この映画を観た直後は、
歩いていても涙がこぼれそうになった。
そんな僕が次にしたのは
夕飯に何を食べようかと考えたことである…。

世界で起こっている悲惨な出来事。
身近でも起こってる悲痛な出来事。

全てを悲しんでいるだけでは、生きてはいけないけど…。
僕の中に、ちいさいけれど何かが残った気がする。

生きていることを心配しなくていい日々が送れることが
とても有り難いな。
人を、愛しましょうね。