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「実話を元にした物語」って
「実話」とは違う
 …ってことだよね?

その事件の詳細を
ほとんど知らないまま
映画を観た。

人間に根深く残る
人種差別による悲しい事件。

そして、それに終わりがないこと。

こういう映画を観るたびに、
憎しみを正当化するという行為に
怒りを感じざるを得ない。

目には目を、歯には歯を。
正直、僕もそうしたいと思いだろう。
それは、小さなことから始まって
歯止めがきかなくなることも
分かっているはずなのに…。


平凡な市民が報復のために働き、
最初は戸惑うものの、途中から慣れてくるのが恐い。
結局は、
良心の呵責に悩まされることになるんだけど…。

この世には、人を殺しても何も感じないどころか
快感にすら思う奴がいるんだよね。

エリック・バナの穏やかで優しい目が
悲しさを募って、切ない。

この映画の中でも、解決法はなにも描かれない。
そんなものは、きっと存在しないのだろう。
ただ、決してくり返してはいけない悲しみが
この世には多いということを
僕たちは忘れてはならないんだろうね。

報復による解決などはなく、
次の憎しみと悲しみを産むだけなのだから…。