アンソニー・ホプキンスは
どう見たって
インディアンには見えないべ。

んな、
見当違いのことを考えちゃうぐらい
予備知識なく観に行った。

彼自身がインディアンなのではなく
彼が乗るバイクとのこと。
冷静に考えりゃあ、そりゃそうだ。


冒頭、彼が目覚めるシーンでは
あれ?ホラー映画だっけ?と見紛うものの
筋が進むごと、子供との交流が進むごとに
彼のかわいらしいお爺ちゃんぶりが出てくる。

世間に疎い偏屈爺さんかと思いきや
ちょっとだけ変わっているかも?という程度の
さじ加減が絶妙。


映画では「よくある展開」というのがある。
素直な主人公に近付いてくる意味ありげな怪しい男は
最初は親切だけど、結局は嘘つきだったりするやつ。

この映画では、
いかにも騙しそうな雰囲気で登場する悪人顔の人でさえ
ごくごく普通の人として描かれている。

もちろん映画的に、すっごく素敵な良い人も登場するが
大半は、そこいらに当たり前にいるような
とりたてて他人に敵意をもたない程度の人たちである。

頑張っている人を見たら
手を貸さないまでも、経過を見守る。
そんな、ささやかな善意の積み重ねが
人の輪を作っていくさまは、とても自然で気持ちイイ!

ロードムービー部分のエピソードたちは
5分あるかないかの短いものもある。
そこに出てくる人たちも、けっして適当な扱いではなく
それぞれが、重すぎず、軽すぎず
いい余韻を残していくんだよねぇ~。


ご都合主義的な部分がないとは言えないけど
この映画に関しては、それもまたいいんじゃない?
と、おおらかな気持ちになれる。

いいなぁ。
こういう前向きでチャーミングな作品、
好きだなぁ~。