目が見えるということ。

当たり前のように
暮らしているけれど
もし、
突然見えなくなったら…。


視力検査表の2.0を示す小さな図形も
くっきり見えた僕にとって
一番大きな図形が見えづらい人なんて
信じられなかった。

ましてや、目が見えないことなど
想像もできなかった。

歳を重ね、パソコンを使って仕事をし
目を酷使するようになっても
急激に視力が落ちることは無かったのだけれど…
ここ数年、近くの物が見えにくくなってきた。

眼科へは行っていないが
きっと、そう、老眼の兆しだろう。
うへぇ~っ!

目は商売道具でもあるし
ゆくゆくはアイバンクに登録し
死後は誰かに使ってもらえたら、と思っている。
これからも大事にしなくては。
見えることは、ホントに有り難いことです♪


さて、本作。
古き良きイタリア映画って感じの
とても味わい深ぁ~い作品でした。

子供が主人公というのもあるのかもしれないけれど
目が見えなくなることによっての失望より
そこから、新しい世界を切り拓いていく逞しさがイイ!

それもそのはず、
Rosso Come Il Cielo(明日を信じる勇気)
という原題らしい。

盲学校における、
個性を認めないで縛り付けるだけの教育に反発し
主人公ミルコは自分のこだわりへとのめり込んでいく。

個性尊重と謳いながら、ただの野放しに陥っては
もはや教育とは言えないのだろうが
一人の人間としての人格を尊重することは
たとえ教師と子供との間でも大切なことなのだろうと思う。

かつて自分自身が盲目だった理事長の言動には
想像もできない差別を味わってきたであろうことを
容易に想像させ
ミルコの奔放さに振り回される様が哀れでならない。

それとは正反対に、ミルコの資質に気付き
さりげなく手を差し伸べ伸ばしてくれた若い教師。

「目が見えないからこそ」そんな表現は
逆に差別的だとは思うが
それによって、新しい世界が拓けたミルコ。

彼には類い稀なる才能があったわけだけれど
そうでなくとも
自分の立ち位置に燻らず
前向きに進むことの楽しさを教えてくれる
素敵な作品でした♪