東京ガスのCMをはじめて見たときは、
市村正親がおばちゃん役をやってる
ドラマ仕立てのCMかな?と思った。

僕が市村正親さんと見間違えたのは
倍賞千恵子さんであり、
『ホノカアボーイ』という作品の映像だと知ったのは
映画公開直前だった。

タイトルを覚えられず
ずっと『ホノア カウボーイ』だとすら思っていた。

味の素のCMかとみまごうくらい
食を前面に出していることもあって
『かもめ食堂』っぽい作品なのかな?と思いつつ観賞。


んん~、これはイイぞっ!!

人間の素朴なかわいらしさと可笑しさ
そして、ちょっぴりのせつなさ!!!!
優しい人間関係が
にじみ出るユーモアとともに描かれていて心地イイ!

ハワイ島で撮影されたという本作は
島の自然光ならでは青みがかった色味や空気感も、
とてもイイ感じだ♪

『かもめ食堂』や『めがね』が
鼻についたり、うさん臭いと思った人でも、これなら大丈夫!

 …たぶん(笑)。


オープニングとエンディングの遠景映像は
アッバス・キアロスタミ監督のジグザグ道三部作を彷佛とさせる。

優しいというか優柔不断。
ナイーブなわりには、鈍いところもある主人公レオには、
外見がイマドキな岡田将生くん。
彼ならではの、はにかんだような
どこか情けない表情と笑顔が印象的だ。

目上の人に対して急にタメ語になったりするのには
すごく違和感を感じたんだけど、
OL旅行者達の会話になってない話し方や
年配の登場人物の丁寧な言葉遣いや物腰などを描いているのをみると
敢えてそういう口調にしたんだろうな。ということが感じられる。

確かに東京ガスのCMでも
岡田くんの「チョ-うめえ!」という口調を
嬉しそうに口真似する倍賞さんのシーンが使われているしね♪


その倍賞さんが演じるのは
拗ねたり、いたずらしたり、
まるで少女を感じさせるくらいおきゃんで可愛い初老のビー。
レオに対しての態度には恋心すら感じられ
こちらまで初々しい気分にさせられちゃった。
素敵だなぁ~♪

喜味こいしさん演じるコイチさんの味のあるセリフの数々が
これまた、すっごくイイんだよなぁ~♪


ずっと食べ続けてるエデリ役の松坂慶子さんや
ハワイの太陽のように
あっけらかんとしたマライヤ役の長谷川潤ちゃんなどなど、
思い出してもにんまりしてしまう濃い人々が生み出す
おおらかな雰囲気に包まれたこの作品。

バニラの香りのグラニュー糖をまぶした
作り立てのマラサダのように
サクッとフワッと、素朴で懐かしい素晴らしい映画です!!!


『かもめ食堂』は相当大好き!
『めがね』は、まぁそこそこ…という感じの僕。

似ているようで全く違うこの作品。
見のがしたら損ですよー!!!!!