映画 や行 ら行 わ

リトル*ミス*サンシャイン

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感動の涙で
スクリーンが
見えなくなるような
映画じゃあない。

最初から最後まで、
シニカルでブラックな
ばかばかしいドタバタが繰り返されるだけ。

展開自体も、
そうとう現実離れしている。

なのに、なぜか
映画を観たあとはすっごくイイ気分なのだ。


人間って、どこか、ちょっと変。
いわゆる普通の人なんて滅多に出会ったことがない。
僕のまわりにも
愛すべき、ちょっと変な人達がいっぱいだ♪

変わり者の僕のまわりにいる人達だから
余計にそうなのかもしれないけど(笑)。


ただ、友達だったらつゆ知らず
その変わり者が家族だったら…。


この映画に出てくるのは、家族でありながら
まるで他人のようにバラバラな人達。
一緒にいる必要性なんて、微塵も感じられない。

そう必要性なんて
きっと、
そんなに意味がないことなのかも。と思った。

よく倦怠期のカップルが
「お互いの必要性を感じない」なんて言うけど
そんなのは後付け。
好きになるのに明確な理由がないことが多いように
嫌いになるにも、きっとただなんとなく嫌なだけ。

好きや嫌いとは別の次元で
ただなんとなく一緒にいることが当たり前
という人がいるということは
それだけで嬉しいことなんだよね♪


この映画の影の主役、黄色いミニバン。
最初は嫌々だった家族との空間が
いつの間にか、
ちょっと居心地のイイ場所になっている。

この余韻が、たまらなくイイんだなぁ~。

「家族の絆」なんて言葉にすると
ちょっと胡散臭くなっちゃうけど
限りある、一緒にいられる時間に感謝しなくちゃね!!

こういう映画だぁ~い好きっ!!!!!

夜のピクニック

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学校の図書室にある
文部省推薦図書。
または、夏休みの
課題図書みたいだ。

はたまた
「中学生日記」みたいな感じ。

そうかと言って
生真面目で硬派な作品などではなく
少々やり過ぎの感がある、笑えない悪のりが多くて…。

多くの個性的な脇キャラクターが
「ああ、いるいるこんなヤツ(笑)」と、
共感を呼びはする。

ただ、独特のおちゃらけテンションには
かなり終盤まで、慣れることができなかった。
もしも映画館でなかったら
途中で見るのを止めてただろうな。


あどけなさが抜けない
主人公・貴子役の多部未華子ちゃん。

恋心も交えつつ、複雑な人間関係に悩む姿に
初々しさ、瑞々しさがほとばしる…かというと
そこまで大人の入口には来ていないようで
まだまだ幼い子供の表情なんだよねぇ~。

早熟な子供達が増えている昨今
ある意味、貴重なキャラクターかもしれない。


「ただ一緒に歩くだけ」で話しが展開するワケではなく
色んなことが起こる起こる。

それらの解決の糸口が
「ただ一緒に歩くだけ」の無駄に思える時間なのだ。

一緒に居る時間ってのは、
言葉以上に何かを伝えあえるんだねぇ~。
そして、約束しないと会えなくなってから宝物だとわかる。


どんなに最善を尽くしているつもりでも
一度絡まった人間関係を無理にほぐそうとすれば
更に絡まるか、最悪の場合には切れてしまうものだ。

抗うことなく、そして目を背けることなく
ゆっくりとほどけていくのを待つのは
決して逃げではないんだろうな。と改めて思った。


エンディングで流れるモンキーマジックの曲
『フタリ』。
ちょっとマイナー調で、すごく切ない。イイ詩です。

RENT

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とにかく
歌のパワーが凄い!!
ストーリーは単純だけど
こんなに
素敵な気分になれるなんて!!


映画館だと一緒に歌ったり
曲に合わせて身体を動かすことも
普通は、しにくいものだから
一歩引いた傍観者になる。

もちろん
ナマ声のウェーブは味わえないけど…
それでも説得力の有る迫力があって
しょっぱなから鳥肌がたった!


こういう映画を選ぶくらいだから
もちろんミュージカルは嫌いじゃないんだけど、
見始めには若干の違和感を覚えた。

舞台だと完全に芝居と割り切れるけど
映画では、リアルな風景の中で
突然歌い始める感が強調されるからなのだろう。

往年のミュージカルナンバーとは違い
ロック調なのもあるのかな?


それでも、この映画のキーとなる
女装のエンジェルがノリノリで登場すると
その楽しさの虜になってたけど。


流れるテーマは、かなり重く深刻なものだ。
登場人物それぞれが置かれている状況も
けっして笑っていられるものではないはずなのに
あくまでポジティブ!!

同じ一分一秒を過ごすのなら
悩んで閉じこもって、死んだように生きてるより
その中での歓びや幸せを見い出して
より楽しく生きる方を選びたい!と思わせてくれる。

最期には、
「死」というものに覆いつくされるとしても…

人間として生まれたことを、
人を好きになり
友情を感じ
「こころ」をもって生まれたことを、
いい人生だったと
エンジェルのように、
気高い微笑みを浮かべて向かえられるように
生きていきたいものである。

♪52万5600分、あなたは1年を何で数えますか?
♪昼、夕焼け、深夜飲んだコーヒー、
♪インチ、マイル、笑い、けんか…
♪あなたは何で数えて 1年を過ごしますか?


とても愛おしい作品です♪

歓びを歌にのせて

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人間の醜い部分を
包み隠すことなく
それでいて、
どこか希望の光を感じる。
文部省推薦かなにかに
なっていたようだけど
意外なほど
セクシャルな表現が多く
赤裸々。

性をファンタジーとして扱わず、
欲望のおもむくままに
正面きって描いているのに
正直、ちょっとビックリした。

綺麗ごとでも
スウィートでもない「いやらしさ」が
かえって純粋にも見えてくるから不思議。

ハリウッド製の感動ものとは違って
素直に泣かせてはくれないんだよねぇ~。
ちょっと粗野な感じすら受けたし…。
だけど、プリミティブな感じに馴染めたら
じんわりと感動できるだろうな。

一時期、こういう映画に
拒否反応を示した時期があった。
素直に受け入れられず、人の嫌な部分ばかりが
気になり、鼻についてしまったのだ。

でも人間って、ダメな部分の方が多いし
それを認めあっていこうとしない限り
深い人間関係は築けないんだよね。

僕の心も、ほんのちょっとだけ
大人になったのかな(笑)。
ただ歳取っただけ?!


この映画の核になっている音楽。
音を楽しむのには、知識が重要じゃあないのだ。
素晴らしい歌唱と歌詞に圧倒される。
そして、もっと素朴に
メロディーも歌詞もないエンディングでの大合唱!
人の声、そして共鳴。
人それぞれ、みんなの声がひとつになって
会場中が包まれるシーンは鳥肌もの!!

いまや、地球を壊しかねない人間だけど
手と手を取り合って歌えるうちは
きっと大丈夫!だと、信じたいな。

私の頭の中の消しゴム

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この映画、観たという知人
全てが号泣した!という評価。

予告編だけでも、泣かないのは
人間として欠陥があるのだろう
とすら思える。

泣いて当たり前。
一体、
どれだけグッとくるのか?

それを味わいたくて、僕も泣きに行った。

映画館でも、そこら中からすすり泣く声が聞こえた。
んがしかぁ~し、意外にも僕は涙が出なかったのだ。


二人の出会い。
楽しい日々。
家族とのやり取りなどが
時には笑いを交えて、時にはシリアスに
とても丁寧に描かれていく。

見た目だけでも充分魅力的な二人だけれど
その表情や言動が、どんどん愛おしくなってくる。
輝いてるなぁ~!

『ラブストーリー』で、清潔な魅力を振りまいたソン・イェジン。
若年性アルツハイマー症により最後には自分が誰であるかも
分からなくなってしまうスジンを、とても天真爛漫に演じている。
そんな彼女をしっかりと受け止めるチョルスを演じるのは、
孤独な力強さの中に優しさを感じさせるチョン・ウソン。

予告編で流れる、お涙頂戴シーンは
映画の終盤に突然やってきて急展開。
怒濤のように押し寄せる。
病魔の進行はとても早く、悲しんでいる間もないくらい。
それでも健気に、必死で闘う二人の姿に感動。
それを見守る家族、関わった人達。
…なんてあたたかいんだ。

哀しい状況ではあるんだけれど
僕にはその人とのつながりが、とても幸せなものに見えた。

世界は二人だけのために回っているという描き方なら
単なる「美しくも哀しいラブストーリー」で終わったんだろうけど、
この作品の家族を含めた描き方に
とても深い人間愛を感じ、幸福感に満ちた気分をもらえた。

コンビニで、みんなが彼女を優しく見つめるシーンに
泣きそうになった。
だけど、二人の表情の清々しさに
僕の心も穏やかになった。

涙は出なかったけど、心に響く素敵な映画ですよ!!!!!
出会った人との絆、大切にしたいね。

妖怪大戦争

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これのオリジナルって
観た記憶があるんだよなぁ~。

筋は全く記憶にないんだけど
障子を開けたら
でっかい顔が出るのを覚えてた!

子供の頃から、
怪獣だの妖怪だのは大好き!!
幽霊は大嫌いだったのに…(笑)。


正直、観るのを躊躇していた。
あまりにもふざけた映画になっているのではないかと…。
でも、思っていたのとは違い、意外に丁寧に作られていた。

多分に主演の神木隆之介くんの品行方正な雰囲気が
生きているのではないかと思う。
彼はまだまだ子供なのに
フィルムへのおさまりが、抜群に良いなぁ~。

そんな彼の熱演をぶち壊す、忌野清四郎の棒読みセリフ。
もう出ないで下さい。

宮迫くんや、小豆研ぎの岡村くんなど
コメディアンからの役者組は、なかなかの健闘。
けっこう重要な役所だったりする。

河童の安部サダヲは、とてもいい味出してるのに
途中から消えちゃうような扱いってどういうこと?

深くは語られない川姫のエピソードだけど
なんだか印象に残る。高橋真唯ちゃん、いいね!
夏の少年の初恋にピッタリの瑞々しさ!!

栗山千明がやってくれます!!
メイクの力もあるんだろうけど、
血の通わない怪しい女をやらせたらピカイチだね!

「すねこすり」という妖怪の展開はありきたりで
ちょっとあざといくらいなんだけど、
とても感情移入できた。僕って単純?!


丁寧に作られてはいるんだけれど
心に響かないのは、キャラが多くてお祭り騒ぎだから。
大勢出てきても、心はひとつ!というものでは
全くないからなんだろうな。
まあ、ひと夏の夢か幻だと思えば腹も立つまい。

ロボッツ

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初めてキャラを見た時は
「あり得ないくらい
 可愛くないっ!」と
思った。

それでも、予告編の
元気な感じに惹かれ
観に行ってみた。
やはり動いていると
見え方が違う!

ロボットの成長は、年齢ごとにパーツを交換。
お金がないからボロボロのお下がりを利用
というのが面白い!

誰がこの街を作ったのか。とか
そういう部分は描かれない。
人間が敵だったり、味方だったりということもない。

全てがロボット世界の中で起こる出来事なので
単純に人間ドラマとして置換え観られるのかもしれない。
夢を生かせば希望につながる。というメッセージとか。


ユアン・マクレガーが声を演じる
ロボット・ロドニーが
自分の才能を生かし、
他のダメダメロボットを奮起させるという展開は
真新しい所がなぁ~んにも感じられないけれど
この上なく分かりやすくて、ワクワクしちゃった。

ロビン・ウィリアムズ演じる、
仲間となるロボット・フェンダーが
テンション高くて、うるさ過ぎるのが気になった。
こういうCGアニメに必ずいるキャラクターだよねぇ~。
「雨に唄えば」のパロディは、サイコーにご機嫌だったけど!

テンポ良く話しが進み、楽しく観られたんだけど
なぜか印象に残らない。
いっぱいいる個性的であるはずのキャラクターが
最後は、みんな同じに見えてしまった。
みんなで歌い踊るラストも、なんとなぁ~く希薄。

ドラマ部分が薄っぺらいからなんだよなぁ~。

字幕版を観たのだけれど、
エンドロールで唐突に挿入される矢井田瞳の『マワルソラ』。
いい歌なんだけど、やっぱり浮いてるよねぇ~。

ライフ・イズ・ミラクル

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映画の日ということと
公開されたばかりだからなのか
かなりの混み様だった。

シネスイッチ銀座は、
整理券を配らないくせに
ギリギリまで列を作らせないので
待っている時も、
ちょっと緊張する。

ここまでかたくなに昔のスタイルにこだわるのは
何か意味があるのかなぁ~。

シャンテシネも座席指定になったことだし
早く改善して欲しいものである。


さて、本編。
映画上映開始早々思った。「失敗…」。

笑わせる部分が、ことごとく僕の嫌いなタイプ。
こりゃあ、最後まで観続けるのさえツライぞ…。
エピソードはどんどん盛り込まれているのに
話しは遅々として進まず。

核となる女の子との物語りが動き出すのは
随分後半になってから。

掃き溜めにツルのような快活な女の子で
やっと、少し面白くなる。

暗く描きがちな題材を、逞しく人間味溢れる描き方をしているのは
すごく好感がもてるのだけれど…。


なんとか最後まで観られたけれど
久しぶりにキッツイ映画でした。

ライフ・アクアティック

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うぅ~ん、
こんなにも
形容し難いのは珍しいなぁ。
主演のボブ・マーリー
もとい、ビル・マーレイ演じる
スティーブ・ズィスーの
なんだか哀しくなるような
おとぼけぶり。

異常なくらい個性的な
キャラクターたちなのに
意味があるんだか、ないんだか…。

たぶん、制作者自身には
面白くてたまらないんだろうなぁ。と思われる
いたるところにちりばめられた
細部へのこだわりとギャグ。
こういうのが好きな人にはサイコーでしょうな。

笑えないのなら
気付かずサラッと通り過ぎてしまえばいいのに
妙に引っ掛かって、どうにも心地よくない。
楽しめそうな要素はたっぷりなのになぁ。


そんな、僕になどお構いなしに(当たり前だけど)
積み重ねられたエピソードがつながってくる。
どうやらクライマックスらしい。
テンションが最初からずぅ~っと高いので
なんとなくホッとする。

今までバラバラだった登場人物たちが
狭い潜水艇に集結。
改めて見ても、そうそうたるメンバーだ。
相変わらず、人をおちょくったような映像なんだけど
とても暖かい安堵の気持ちに満たされている。
なぜだっ?!

ジャガーザメの登場に至っては、
ほんのりと感動的ですらある。

セウ・ジョルジ演じる船員ペレが弾き語りする
ボサ・ノヴァは秀逸!アルバム購入しちゃおうかなぁ。

エンディングの曲に乗って、
プロモーションビデオかのようにハツラツと行進する
チーム・ズィスーの面々。
終わり良ければ全て良しとは言うが
ここまでエンディングだけで爽快になれるなんて不思議?!

あぁ~、摩訶不思議な映画だった。


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←で、ボブ・マーリーはこの人 続きを読む

レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語

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うぅ~ん、
期待以上でも以下でもなく…。
主役の3人の子供たちは、
皆可愛らしく且つ
少し影があって魅力的。

それに、脇を固める役者にも、
メリル・ストリープや
ダスティン・ホフマンなどの
大御所たちがノリノリの演技で
登場しているのだけれど…。

どぉ~にもすっきり楽しめないんだよなぁ~。

上映開始直後に、そういった
「楽しい映画をお望みなら別の作品にしなさい。
 今ならまだ間に合います。」
云々といった断わりがあるんだけど(笑)。

一筋縄ではいかない無気味な作品を期待すると、
てぇ~んで肩すかし。
とっても普通な、
ちょっと不可思議なファンタジーって感じ。

全編のちょっとくすんだ色合いの映像は
なんとも綺麗で好きだなぁ。

ヴァイオレット役の少女は
透けるように瑞々しく、これからが楽しみ♪

ジム・キャリー演じるオラフ伯爵が
彼のパワー全開の強烈キャラなんだけど、
この作品にしてはコミカルで
ちょっと魅力的すぎ(?)。

もっともっと毒々しい悪役である方が、
逆に楽しめたかも。
エンディングの本の挿し絵みたいな
ダークでアンダーな雰囲気、イイね。

ナレーション及びレモニー・スニケット役は、
な、な、なんとジュード・ロウ!!
シルエットだけの出演で、
あの美貌がもったいないったらない!!
プロフィール

ヨネえもん

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