全然ミケランジェロの暗号なんかじゃないじゃん。


第二次世界大戦下のユダヤ人を描いた作品といえば
重々しく、観ていて辛くなるばかりというイメージだが
この作品はちょっと違った。

コミカルな演出もあり
どこか軽快で、観賞後に爽快感さえ残る。


「ミケランジェロの暗号」というタイトルから
ミケランジェロの絵に隠された秘密を解読して
真実に近づいていく…みたいな展開を想像したけど
全然違うよ!
意味ありげなタイトルだけど、
まったく内容にそぐわない。

この作品を観た人が作ったとは思えないくらい
ポスターやチラシにも重々しい悲愴感が漂っている。

小難しい雰囲気のほうが客を呼べるのかもしれないが
ホントにこの作品を観てほしいなら
もっと内容に合ったものにしないと意味がないよなぁ〜。


とはいえ、この映画自体は素晴らしい出来だ!

宣材で使われている写真の印象とは違って
感情にあふれた素晴らしい表情を見せてくれる
主演のモーリッツ・ブライブトロイ。

父親役のウド・ ザメルと母親役のマルト・ ケラーの
品があって味わい深い表情も、これまだすごくイイ!

一癖ありそうな恋人役
ウルズラ・シュトラウスの個性的な顔立ちも印象的だ。


初っぱなからグイグイ引っ張られて
目の離せない展開。
ちょっと端折り過ぎかな?と思う部分もあったけど
そのおかげでテンポよく楽しめた。

地味な印象だけど、なかなかどうして!
印象だけで観るのをやめちゃわなくて
ホントよかった!!

邦題だけで判断して、観なかったら損ですよー!!