一言でいうなら
「飄々とした作品」という感じだろうか。

けっして緩やかでも、のんびりでもない。
どこかに冷めた緊張感があって
けだるく、かったるく、負の雰囲気が漂っているのに
けっして鋭利ではなく、鈍い感じ。

松田龍平くん演じる「行天」と
瑛太くん演じる「多田」との
絶妙な掛け合いが、なんともいえない味わいで面白い!

映画が始まった時は
変わり者風の「行天」に強かった負のイメージが
話が進むにつれて、
常識人っぽい「多田」に、より強く負の雰囲気を感じさせる構成も味わい深い。

うぅ~ん、不思議な映画だ。

退廃的な中にも
うっすらと希望と優しさが見え隠れしているさまには、
タバコの煙でくすぶった部屋がかえって落ち着くような
奇妙な安堵感を覚えた。

とはいえ、ほのぼのとした癒し系の映画を期待すると
痛い目みるよ(笑)!


追記:
鈴木杏ちゃんと高良健吾くん主演で6月公開予定映画『軽蔑』は
『まほろ駅前多田便利軒』のスピンオフじゃないよね?